潜在看護師の最も心配なことは医療行為なのではないでしょうか?医療の進歩は目まぐるしく「3年離れると違ってくるって・・・。」巷の噂で聞いていると、潜在看護師は数年から数十年のブランク。不安しか残らないですよね?
ここがネックになって復職する気持ちがしぼんでしまう。
イヤイヤそんなことにはめげないで、なんとかしたい!
なんとかしましょう。
なんとかなる職場を探してみるのはどうでしょうか?
それならば、医療行為の少ない介護施設とか保育園とか健診センターなどはどうだろうか・・・。
ここでは介護施設に限定して、私の体験も交えてお話します。
私はすぐに訪問看護をしたかったのですが、針関係が(点滴など)心配で踏み切れませんでした。
幸い、私の経歴の中で「特別養護老人ホーム」「デイサービス」「デイケア」「訪問診療」「ケアマネージャー」と在宅勤務の経験が多かったので、まずはここから初めて、訪問看護に向かったらいいのでは?と、現在考えながら仕事をしています。
介護施設の仕事ってどんなところ?最近の情報も合わせて紹介したいと思います。
特別養護老人ホーム
特養とも呼ばれています。特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難になった要介護3以上の高齢者が入居できる公的な「介護保険施設」の1つです。民間運営の有料老人ホーム等に比べ低料金であることが魅力です。昔に比べると入居しやすくなったとも言われていますが、希望者が多いため入居待ちをすることがあります。生活の場としての施設なので看護師としては以下の仕事があります。
- 食事(胃ろうの管理も含む)
- 入浴(医療的な見守りが必要なケースは一緒に介助)
- 排せつ(浣腸・摘便)
- 健康管理:バイタル、服薬管理、吸引、褥瘡の処置、ストーマケア、点滴、採血、採尿(導尿)など。
- 医師の診療補助
- 緊急対応(夜間は看護師が常駐しないので緊急時のオンコールあり。救急車対応)
- リハビリ
- 生活支援
- レクリエーション・イベント
- 看取り
思い返すと、針関係(点滴とか)が苦手な私も実際、やってましたね。それも、認知症の患者さんだったり、高齢者の施設なので当たり前ですが、みなさんがご高齢。血管が細い、もろいなどなど。病院の外来患者さんより難しかったかもしれません。私はここで老人看護を学ばせてもらったと思います。余談ですが、この文書を書きながら訪問看護もできるんじゃないかと思いました。
デイサービス・デイケア
デイサービスが入浴や食事など日常生活の介護が中心なのに対し、デイケアはリハビリが中心のため、機能訓練に関連した業務になります。とは言え、両方とも共通している部分は家族が仕事をしているとか、介護者の休息目的などの理由もあり生活支援がメインではないかと思います。
デイサービスはバイタルのほか以外は家族からお願いされた湿布を貼ったり、服薬管理などしますがその他の医療処置は基本できません(医師の指示書がないため)
デイケアには医師が配置になっています。私はクリニック併設のデイケアに勤めていました。医師の指示のもとで褥瘡処置、浣腸、摘便、点滴などの医療処置も行っていました。
両者に共通するのは生活支援がベースになっていることです。入浴、排泄、食事、レクレーション、緊急対応などです。
介護施設で仕事をすることは、介護職をはじめとする様々な職種の方との連携が大切になってきます。コミニュケーションをとりながらご利用者さまが快適に楽しく生活を送っていただけるように心を尽くしていくことだと思っています。また、施設の設備状況や方針によっても内容が違ってくるので、見学等はしっかりするといいと思います。
有料老人ホーム
介護付有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、主に介護を必要とする高齢者が、介護や生活支援を受けて居住する施設です。
食事、洗濯、清掃等の生活支援、排せつや入浴等の身体介護、機能訓練、レクリエーション、サークル活動などのサービスを受けることが出来ます。
ここでの生活を快適に過ごされるよう、援助していきます。
施設の職員が介護をする「一般型」と、介護を外部事業所が行う「外部サービス利用型」があります。
有料老人ホームでの看護師の仕事内容は、入居者の健康を医療面からサポートすることです。
具体的には、健康管理が主な仕事となります。
医療行為が必要とされるときは、医師の指導にもとづいて行うのが原則です。
また、施設によっては看護業務より介護業務の割合が大きい場合もあります。
具体的な仕事内容は施設によって差が大きいため、就職・転職前によく確認しておきましょう。
ここをしっかり確認しておかないと、「こんなはずではなかったのに・・・」という事になります。
介護スタッフと一緒に生活支援をする。
この大前提を忘れて、医療のみが看護師の仕事だと考えている方には向きません。
有料老人ホームにおける看護師の主な仕事内容は以下の通りです。
- バイタル
- 服薬管理
- 点眼・軟膏塗布
- 医師の指示による医療行為( 吸引・胃ろう・インシュリン注射)
- 通院の付き添い
- 医師の診療介助
- 施設内の感染対策
- 介護業務(食事・入浴・排泄)
- レクリエーション
- 外出の付き添い
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、食事、洗濯、清掃等の生活支援サービスが付いた高齢者施設です。
入居者が要介護となった場合は、介護サービスを受けるため、ホームとは別に訪問介護などの在宅サービス事業所と契約する必要があります。
ホームのスタッフが介護サービスを提供することはありません。
見守り感があって、比較的自立されている方が入居されていると思います。
外部の訪問看護が入って医療部分を支えていることもありますし、訪問介護事業所や、デイサービス、居宅介護支援事業所などが併設されている施設もあり、入居者が在宅サービスを受けやすいよう配慮されています。
介護保険料の自己負担は在宅サービスと同じ扱いで利用した分に応じて支払うため、介護度が高くなると介護付き有料老人ホームより介護サービス費が高くなる傾向にあります。
看護師は義務付けられてはいません。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームとは、家事サポートや食事等のサービスが付いた高齢者施設です。
身の回りのことは自分でこなせる、自立した状態の高齢者が対象で、お元気な状態をなるべく維持することを目的とした設備が充実しています。
なかには、温泉やスポーツジム、ビリヤード台などがついた施設もあります。
高額な施設もあり、実際に行ってみると驚くほど充実した施設もあります。
要介護となった場合は、契約を解除し退去することになりますが、介護が必要になった場合に移動できる施設が隣接しているところもあります。
健康型は施設数が非常に少ないのが現状です。
看護師は義務付けられてはいません。
まとめ:
介護施設はゆるく働けるのか?夜勤がないので日勤帯でリズム良く働くことができます。
医療処置もたくさんはないので、ブランクがある潜在看護師でもスタートとしては良いと思います。
特に高齢者と話をすることが好きな方には向いていると思います。
ただ、看護師が1〜2名(規模によります)の場合も多く、緊急時の対応もあります。
私も勤めているときに、夜間のオンコール対応をしたり、救急車を呼んだり緊急対応はありました。
医療行為が少ない面では比較的負担は少ない様に思えます。ここが『ゆるく』といえばそう感じる部分かもしれません。
現在は親世代の高齢者の方と関わって日々仕事をしていますが、人生の先輩に教えていただくことは多岐に渡っており、楽しく仕事ができていることに日々感謝をしています。
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