潜在看護師復職後の職場はリハビリデイ。口腔体操という大切な仕事があります。

潜在看護師

リハビリデイの看護師の仕事って?

ジャム

口腔体操がその一つです。
口腔体操はとても大切な運動です。

潜在看護師

そうなんですね。
具体的に教えて欲しいです。

ジャム

はい。では説明していきますね!

高齢になってくると、肺炎に罹患する確率が高くなってきます。

原因は様々ですが、罹患すると命に関わるケースも多くなります。

その中でも注意しなくてはならないのが誤嚥性の肺炎です。

年を取ったから仕方ないとあきらめるのはまだ早い。口腔体操で改善することがあります。

意外に気がつかない口腔体操の必要性。ここではその方法をお伝えしようと思います。

潜在看護師20年からの復職先はリハビリ特化型デイサービスです。ここでは様々な運動をして、心身の機能向上や維持を目指すところです。

高齢者の肺炎は命に関わる疾患です。口腔体操を行うことで肺炎の予防に役立ちます。

現在,日本では,高齢者における肺炎の罹病率,死亡率が増加しており,これを背景として医療・介護関連肺炎という新しい疾患概念も生まれている.高齢者の肺炎は,非典型的な症状や所見を呈することが多く,また,誤嚥が大きな要素となっている.

日本内科学会雑誌 高齢者肺炎の診断と治療

誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が気道に入ること)がきっかけになって、主に口の中の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎。


誤嚥を起こす原因としては、食事のとき、睡眠中、また、覚醒時でも自分の唾液が肺に流れ込んで起きることもあります。

潜在看護師

寝ている時に誤嚥をするんですね?
何か、むせた時に誤嚥をするものばかりと思っていました。

ジャム

そうなんです。
自分が気がつかないうちに誤嚥していることがあるんですよ・・・

若い人のように、異物が気道に入り込んでも、むせることが少なくなってきて、気がつかないうちに肺炎が悪化していることもあります。

では、どんなことを実践すると予防につながっていくのか、ここで私が行っている口腔体操についてお話しします。

目次

準備運動

イスに座った状態で行います。

  • 深呼吸:鼻から吸って、口からゆっくり吐きます。3回
  • 肩を大きく外まわし、内まわしに10回ずつ
  • 両方を上下に上げ下げ10回
  • 腕を組んで胸から前に床に水平に伸ばします。この時頭を下げて首、肩、肩甲骨を伸ばします。
  • 腕を伸ばした状態で後ろで手を組んで、肩甲骨を寄せます。(後ろで手を組めない時は伸ばすだけでもOK)
  • 首を前後、左右に倒す2回ずつ。左を見て、右を見て左を見てを2回。最後にぐるっと首を回す。2周ずつ交互に

口の周囲の運動

  • 口いっぱいに空気を入れて頬を膨らまします。8秒
  • 右の頬にのみ空気を入れて膨らまします。8秒これを左右
  • 鼻の下に空気を入れて膨らまします。8秒
  • 顎に空気を入れて膨らまします。8秒
  • 最後にもう一度口いっぱいに空気を入れて頬を膨らまします。8秒

舌の運動

  • 口を閉じた状態で舌で前歯の歯茎をなぞるようにぐるっと2周、左右行います。
  • 右頬を下でぐっと押します。8秒左右2回

唾液の出るマッサージ

パタカラ体操

パタカラ体操は発声だけではなく、このように手をつけることで2動作を一緒に行う事で前頭葉を鍛えることができ一石二鳥です。

このパタカラ体操はみんなで楽しんでできます。

私は早くやってみたり、遅くやってみたり強弱をつけて取り組んでいます。

口腔ケア(口の中を綺麗に保つ)

要介護高齢者の口腔ケアでは2つの視点が必要です。1つは口の中の細菌や汚れを除くこと、もう1つは口腔機能訓練やマッサージなどによって口の機能を維持・向上させることです。前者は「器質的口腔ケア」、後者は「機能的口腔ケア」と呼ばれ、どちらも口の健康だけでなく、全身の健康維持につながります。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

ここでは、口の中の細菌や汚れを除くことについてお話します。

【誤嚥性肺炎とは】口の中の細菌が増加し、それらが気管から肺に侵入(誤嚥)することで、誤嚥性肺炎の危険が高まります。

要介護者・高齢者が特に口腔ケアに注意しなくてはならない理由。

  • 特に要介護高齢者は複数の病気をもっていることが多い。
  • 栄養状態も良くないことが多い
  • 誤嚥性肺炎などの感染症は重篤化しやすい
  • 口の中の細菌は歯周炎だけでなく、口の粘膜の炎症の原因になる
  • 口の粘膜の炎症は口から全身に波及し、発熱などを惹起するため、低栄養や脱水に陥ったり、免疫機能や体力の低下を招いたり、血管など他の身体の臓器を障害したりする
  • 口は身体の一部であり、口の健康は全身の健康ともつながっているのです。

私は職場で日々口腔体操や口腔ケアについて意識していただけるように、ご利用者さんにお話をしています。

このことにより意識していただける方は著しく改善されてきています。

もし、知らなければ誤嚥性肺炎を誘発する可能性が大きくなるのではないかと考えます。

では、口の中を綺麗にするにはどんなことに気をつけたら良いのでしょうか?

最高の口腔ケアとは・・・「噛んで食べること」と「歯磨き」なぜならば、噛んで食べれば唾液が出て、その殺菌作用と洗浄作用によって口の環境が整うからです。さらに。よく噛むことで口の機能を保ったり、向上させたりすることもできます。感で食べることを補ってくれるのが、歯磨きです。歯磨きは、口の中の細菌や細菌の塊を、ゴシゴシこすって落とすことができます。歯を磨けば口の中が刺激されることにもなり、それによって唾液が出るようになったり、飲み込みがよくなったりするなど、口腔機能も向上します。

死ぬまで噛んで食べる 五島朋幸

上記のとおり口腔ケアの必要性大きいと考えます。

私は利用者さんへ、寝る前の歯磨きと同じくらい大切なのは起床時の歯磨きやうがい。とお伝えしています。

夜間寝ている間に唾液の分泌は抑えられ、口の中ではたくさんの細菌が繁殖しているからです。

このままお水を飲むとそれらを流し込むことになります。

間違って期間に入ると誤嚥性肺炎のリスクも高くなります。これから何も、高齢者に限ってのことではなく、皆さんも同じです。

先にご紹介しました五島朋幸先生の「死ぬまで感で食べる」誤嚥性肺炎を防ぐ12の鉄則には歯科医からの適切なアドバイスがたくさん載っています。

口腔体操時にもここの書籍から利用者さんにもお話させていただいています。興味のある方はリンクを貼っておきますので読んでみてください。

介護・看護職の方に読んでほしい。口腔ケアの本

まとめ

リハビリデイではこの体操を15分〜20分休憩を入れながら行っています。

3ヶ月に1回のカウンセリングの時間に口腔機能の評価を行っていますが、利用者様ご自身で変化を感じていただける方が増えています。効果としては以下のようになります。

  • 声が以前より出るようになった
  • むせが減った
  • 口の中の渇きが減った
  • 食べる時間が早くなった
  • よく噛めるようになった
  • 唾液の出る量が多くなった

日々の少しの運動を継続していくことで肺炎になる原因を減らすことができることは素晴らしいことだと考えます。その他、まだまだいろんなバリエーショを行って、みなさんが楽しんでできるように、笑顔で一緒に取り組んでいます。

50代の私も、一緒に口腔体操を行うことで、むせることが減りました。今後も続けていきたいと思います。

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この記事を書いた人

訪問ありがとうございます!
当ブログの管理人のジャムです。
50代看護師です。R3に20年ぶりに看護師へ復職しました。
潜在看護師のみなさんが復職するにあたり私の経験が復職へのお役に立てればと思い、このブログをはじめました。

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